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2010年11月16日
アンダーマイニング効果
いやはやすっかりご無沙汰してしまいました。
尖閣諸島や北方領土の問題で、海外出張が長引いてしまい。。。(←ウソです)
おかげ様で新規案件がバンバン決まり、忙しくて目が回りそうで。。。(←少しウソです)
いや、正味ただ何となく気分が乗らなかったからだけなんですが、モチベーションのコントロールって難しいですよね。。
計画を立て、実行し、かつ進捗状況をチェックして、完了とともに結果を次の計画に反映するというPDCAサイクルは業務の遂行にあたっては有益な管理手法だと思いますが、なぜそれを実行するのか?とか、より上手くやり遂げたい!などいった「M(motivation)」がどの工程にでも深く関わってくると思うのです。
産業機械であれば、計画したとおりに稼働し、粛々と基準を満たす成果物を生み出していくのでしょうが、生身のビジネスマシーンにとっては、ハート(ヘッド?)部分への働き掛けが非常に大事になってきます。ここがうまくいくかどうかで、成果物の価値も大きく変わってきますよね。
同じ表題(XXX提案書)のドキュメントでも中身に雲泥の差があるように、
システムでは、アウトプットは同じでもその過程のユーザビリティに雲泥の差があるように。。
そんな中、今朝のニュースでみたのが、掲題の「アンダーマイニング効果」といわれるものの実験結果です。
--------------------------------------------------------------------------------楽しいゲームも報酬なくすと… やる気低下、脳研究で解明 玉川大、新たな教育法開発に
最初に金銭報酬が与えられて課題に取り組むと、報酬がなくなった際には、本来楽しめる課題もやる気がうせる――。心理実験で「アンダーマイニング効果」として知られるこの現象が起きている時の脳の活動を、玉川大学の松元健二准教授らが初めて明らかにした。
成果はやる気を起こす教育法の開発につながるという。米科学アカデミー紀要(電子版)に16日発表する。
大学生の男女28人を対象に、課題中の脳の働きを磁気共鳴画像装置(MRI)で調べた。ストップウオッチを「5秒たった」と思ったら止める課題を与えた。実際に5秒に近い人のうち、半数には200円の報酬を与え、残りには何も与えなかった。
どちらのグループも、課題が示された時には物事の認識にかかわる「前頭葉」が、成功した時には「大脳基底核」が強く働き、被験者は報酬の有無にかかわらず楽しんでいた。ところが休憩後、全員に「報酬なし」で同じ課題を与えると、最初に報酬を受けた人たちの脳活動は低下していたが、報酬がなかった人たちは休憩前と同様だった。
また、休憩中に自由行動を認めると、最初から報酬がなかったグループでは、自発的にストップウオッチの課題に取り組む人が多かったが、報酬があったグループでは少なかった。
引用:日本経済新聞 11月16日(火) 社会1面より
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もともとは内発的な動機からやっていたことに対して、あえて外部からの「動機付け」が行われると、とたんに意欲が低下してしまう、と。
健康管理のため脱メタボを目指しウォーキングをしていただけなのに、
痩せた容姿の効果か異性から望外の評価を頂き、
これがモテ期ってやつか!?などと浮かれていたら、
やっぱりそれはただの勘違いだったことが判明し、
元々の動機であった健康体を手に入れるというウォーキング行為の意欲も低下してしまった。
みたいな感じでしょうか。
・・・違うか。笑
以前流行った企業の成果主義への反省も部分的にはここにありますよね。
成果に対する報酬を前面に出して働かせると、報酬がなくなったとき(止まったとき、もとに戻ったとき)にまったく成果が出なくなってしまう、と。
グーグル社では全社員一律10%昇給らしいですが、大丈夫ですしょうか?笑
もともと好きなことを仕事にしてたのに、望外の報酬を与えられたために、モチベーションが低下してしまった。。みたいなことが起こりそうな気がします。
弊社の給料が決して高くないのはこのようなワケがあるのですが(笑)、
仕事を通じて心の充足感を感じて貰える会社でありたいと思ってます。
まあ、不満に思いながらいやいや働くよりも、満たされた思いで働いてた方が、確実に幸せだと思いますけどね。不満をバネにした労働は長くは続けられないと確信しています。人間の心も身体もそんなに丈夫にはできていません。
やっぱ、Have fun!でしょう。うん。