オッサンのキモチ

暑いっすー。溶けますねー。。

さて、今朝、新聞を読んでいて、うーん。。。と思ったことを。

本日の日経新聞3面総合に、昨日政府が決定した経済対策の記事がありました。

「政府、雇用対策に重点」という小見出しで、
日本の企業は新卒者を優先的に採用する傾向が根強いので、法改正をして卒業から3年は新卒扱いにしますよ、と。
また、従来もやってましたが、
大学やハローワークに配置している就職相談員を増やしたり、
若者を新規で採用する企業に奨励金をだしますよ、
と。

・・・・

本気っすか??


弊社は新卒に拘らずに採用をしているので、そもそも新卒かどうかなど選考基準に入ってないのですが、例えば、大企業で新卒者向けの採用枠しかない企業が法改正によってそのような採用の括りを禁止され、門戸を卒業3年以内の若者にまで開いた場合、本当に既卒者の採用が増えるのでしょうか?

新卒者こそが自社の戦略にマッチすると本気で思ってる企業は、たとえ受付の間口を広くしたって結局は新卒者しか採用しないですよね。これは男女の雇用についても同様です。

もし、国がこの方法で雇用を増やしたいと思ってるなら、各企業に数値目標を設定し(新卒者の採用数に対して一定の既卒者を採用する等)、守らない企業には罰則を与えるなどしないと、とても増えそうに思えません。

まあ、ここまでしたら、円高、法人税率の問題の比でなく、日本から脱出する企業で溢れ返りそうですけど。。


中小企業が今ナゼ採用を躊躇うのか?
(以下、弊社の場合です)

そもそも売上が落ち込んでいるので、新規で人を採用する(育成する)体力(資本)がない。
また、正社員を採用するということは将来的に会社の中核を担う人材が欲しいという思いからなので、募集選考も時間をかけて慎重に実施します。
(単純に売上高をUPするだけなら、案件の外注化で足りますので。)
このような景気の最中では売上の確保を第一に考えるので、その採用の時間が取れないということもあります。ここはマインドの問題でしょうけど。。

政府の対策である奨励金なるものでどれくらいコストを補てんできるか解りませんが、
お小遣い程度では、責任を持った人の採用(育成)などできません。
いや、本来は国の補助に関わらず、企業は自己勘定で採用をすべきです。もちろん。
私企業なんですから。

でも、国家の現状を踏まえて、雇用こそが今の状況を打破する政策だと考えるなら、私企業の利益うんぬんではなく、国家存続の為に雇用を増やさないとならんですよね。

だから、国も小手先の対策ではなく、
「新規で雇用された人材が会社の戦力になるまで、その費用はすべて国が面倒を見ます!」
くらいやらないとダメなんじゃないでしょうか。
乱暴な言い方だと思いますが、
決算で赤字になった年は、その年に新規採用した人材の人件費はすべて助成する、とか。


いや、そもそも国家機能はできるだけ小さくあるべきかなと思ってるので、丸抱えでやって欲しいと言ってるのではないです。むしろ熾烈な競争に生き残った種が次世代を担うと思うので、放置してくれて構わないのですが、、、

現政府が国家戦略として「雇用」を重要視するなら、全会社数に占める割合が99.2%である中小企業に「雇用を増やしながら成長していくイメージ画像」を描かせることがポイントかと思います。大企業は雇用がいかに大事かは解ってますから、まあ、ほっておきましょう。大企業になるまでの過程がそうだったんだし。

小さな会社が勇気を出して新たに人を採用することで社内のDNAが少しづつ変化し、事業環境に相応しい会社に成長していくのではないでしょうか。または、ある瞬間に自社DNAが突然変異して、劇的に成長するきっかけを迎えたり。
まあ、会社としても新たな人材を真剣に組み込める"器"が求められますが。

卒業後3年以内を新卒扱いにしたって、わずかばかりの奨励金を出したって、中小企業のオッサンは動きません。自分で会社を興すくらいなので、そもそも誰か(国や組織)に何とかしてもらおうという気持ちは薄いのかと。気概としては「一身独立して一国独立」だから。いえい。

そんな中小企業のオッサン(←たびたび失礼。。自分のことです。)も、ロマンにはめっぽう弱い。夢のある政策にはころっとキモチが傾きます。最初に会社を興したときは夢とロマンしかなかったのでね。マロンだったら多少の食い扶持になったろうに。

なので、事態の打開として国が何かやるのであれば、オッサンが夢見れる対策を希望します。あ、夢のような政策じゃないですよ。ここ大事。


最後に、冒頭の新聞記事の中で、厚生労働省幹部の方が「思いつく政策はほぼ出し尽くした」と漏らされたとのこと。

思いつかなかったら、中小企業のオッサンに、ぜひ、ヒアリングを!
昨日見た夢をお話します。笑

投稿者 Taka : 2010年08月31日 15:18

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